道南民俗学研究会

虚飾を捨てた文章を書きたい。

風にあてる手紙

 この国では戦時中は寺院や教会の鐘は国家に供出された。したがって今聞こえている鐘の響きは小さな平和と自由の証である。この定刻の音色は汽笛や和太鼓の律動とも交わり、この地を訪れる旅人にたゆたう時の移ろいと新たな船出を告げている。
 
丘に吹く、一陣の風に手紙を託す。街包む鐘の音 白い朝重ねあうかに汽笛 ひとひらの雲 

最後に教えてほしい。君が描く平和の光景を。