道南民俗学研究会

虚飾を捨てた文章を書きたい。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

友との対話が求める答え

この手紙を書いた動機のもう一つに幼い日に知った西遊記という物語があった。それは現在の中国が唐と呼ばれていた時代に実在した僧の取経の旅をモチーフとした作品である。 妖怪変化が行く手を阻み、難所の続く里程を西へ西へと行き続ける彼らの目的はよく分…

オリンピックは平和の祭典であるのか

スポーツによる国際友好や相互理解はあるとして、それがどう平和に結びついていくというのか。サラエボのオリンピック会場が後に紛争犠牲者を埋葬する墓地になった歴史的事実が問いかけること。 オリンピックが賑やかな式典と感じられた昔はあったし、もし北海道で競技が実施…

忘れられない「よきサマリア人」

私があなたへの手紙を書こうと思った動機は大きく2つあります。まず、その一つは、あなたから頂いた手紙の末尾にあった、「私たちのために祈ってください」という言葉に疑問を抱いたことです。祈りが一体何になるのか、最善手たりえないと思いました。 憎し…

映画「武士の一分」について

一分とは日常会話で聞きなれない言葉である。満足が十分だとすれば、これはあるものを成立させる必要要件である。さて、武士の一分とは何か。本懐などと言う晴れがましいものではなく、あはれを帯びた作品であることがタイトルから十二分に察せられる。 本作…