道南民俗学研究会

虚飾を捨てた文章を書きたい。

正しい姿勢である効用

1呼吸が深くなり代謝が上がる。神経の働きが整い精神的に安定する2体幹深部の赤筋、及び脂肪燃焼スイッチのミトコンドリアを持続的に刺激3柔軟性の保持、膝痛、腰痛、肩こり、神経性頭痛の緩和、解消4ヨガやストレッチの目的にして最も根源的な健康法5美容効…

風にあてる手紙

この国では戦時中は寺院や教会の鐘は国家に供出された。したがって今聞こえている鐘の響きは小さな平和と自由の証である。この定刻の音色は汽笛や和太鼓の律動とも交わり、この地を訪れる旅人にたゆたう時の移ろいと新たな船出を告げている。 丘に吹く、一陣…

チャチャ登り慕情

箱館は1854年に日米和親条約により開港した。今でも市内随所にはリアルレトロな風景が残る。なお教会群で有名な大三坂の更に坂上に位置するチャチャ登りという地名の由来について現在調査中である。一説に明治期の日本人官吏によるものであるが、幕末期に建…

友との対話が求める答え

この手紙を書いた動機のもう一つに幼い日に知った西遊記という物語があった。それは現在の中国が唐と呼ばれていた時代に実在した僧の取経の旅をモチーフとした作品である。 妖怪変化が行く手を阻み、難所の続く里程を西へ西へと行き続ける彼らの目的はよく分…

オリンピックは平和の祭典であるのか

スポーツによる国際友好や相互理解はあるとして、それがどう平和に結びついていくというのか。サラエボのオリンピック会場が後に紛争犠牲者を埋葬する墓地になった歴史的事実が問いかけること。 オリンピックが賑やかな式典と感じられた昔はあったし、もし北海道で競技が実施…

忘れられない「よきサマリア人」

私があなたへの手紙を書こうと思った動機は大きく2つあります。まず、その一つは、あなたから頂いた手紙の末尾にあった、「私たちのために祈ってください」という言葉に疑問を抱いたことです。祈りが一体何になるのか、最善手たりえないと思いました。 憎し…

映画「武士の一分」について

一分とは日常会話で聞きなれない言葉である。満足が十分だとすれば、これはあるものを成立させる必要要件である。さて、武士の一分とは何か。本懐などと言う晴れがましいものではなく、あはれを帯びた作品であることがタイトルから十二分に察せられる。 本作…

戦禍の悪因を断つ

麻酔が好例ですが、毒は専門の知識を持つ者が品質管理を徹底するとき薬になります。薬とは本来劇物とも言え、軍隊も元来は凶意ですが統制を徹底することで有用となります。 さて、日本の自衛隊を軍隊の出来損ないのように言う人もいますが、軍隊を嫌う地域の…

食を慎む

近代まで信仰の動機として諸病平癒の比重が大きかったという 江戸時代の観相家(手相や人相から運勢を読み解く人)・水野南北は、自身の経験則と解剖学上の検証から、開運の秘訣は節食にありと考証した。平たく言えば腹八分目を習慣とすることで、これは行動…

⑨きっと「核なき世界」より大事なこと

日本において核なき世界と言うフレーズがイメージ的に用いられる一方、現実には核兵器の保有国は増えるだろうという予測があります。核なき世界、現時点における実現可能性はゼロに近く、私たちは地に足の着いた実現可能な目標を設定し直す必要があります。 …

小さな名医

漢字の「咲」のつくりは「笑」だという一説がある 月に一度、寄席に足を運ぶ。ワンドリンク付き、1500円也。それで、多少なりとも浮世の憂さが晴れるのなら安いのかもしれない。ふと、これは医療費の項目で家計簿に計上されるものではないかと考えた。確かに…

我ら一同、いずれ死せる身なれば

先月、94歳で一人暮らしをしていると言う女性と職場で1時間ほど世間話をしました。再び、来訪するのがいつかわからず一期一会と言うべき出会いでした。長寿の秘訣を聞くと、夜中の3時に起きてラジオで懐メロを聴く、そのため朝の起床は遅い。肉類をよく食べ…

天は役目なしに降ろしたものはない

アイヌ民族のことわざ。ここで言う天とは何か。また、それは実在するものであるのか。せっかくの機会に彼らの伝承を記録したものを改めて1時間でも紐解いてみたい。 彼らの思想によれば、カムイ(神・命)は天と地を遊ぶように循環できる存在である。人のみ…

霊送りーイヨマンテ

人払いをした湖畔の集落、夜の帳がおりた伝統的家屋の中で。祭礼が滞りなく進行し、まだ大任を残している緊張感から酒をあおり横たわる長老らしき男。緊張感からしばし逃れようとしているのか。耳に残る不規則的な口琴の音色。 囲炉裏端にあつらえられた祭壇…

2020年 国内自死率増加に寄せて

見せかけではない本当の豊かさや安心を求めたい 昨年、国内の自死率が増加に転じた。若年層や女性の件数増加が顕著である。現代文明の恩恵に浴している私たちは、死生観について考察することを避けている一面がある。 弱者の声はどれだけ社会に届いているの…

掌に情報の躍る時代に

例えば「人は生きているだけで価値がある」という言葉を聞くと、はたして本当にそうなのかと、天の邪鬼な私は考えます。もちろん様々な状況がありますが、長いとも言えない私の余生を「ただ生きていればいい」という話ではないように思慮するのです。そう考…

時代にあらがった男たち

~「明治・・・明るく治める。」彼ら「旧幕府敗走軍」から見れば、その年号さえも欺瞞に満ちたものに思えたことだろう(1868年10月23日に慶応から明治に切り替わる)。明治新政府は、旧幕府軍の北海道の地における開拓民の申し出を頑なに認めず、そして、反乱…

精神性が高いから争いが少ないのか

先日、転倒防止の冬靴を買い替えチャチャ登りの現地視察に行った帰り道、お寺の掲示板に「天命に安んじて人事をなす」と書かれているのを見ました。いい言葉だと思ったのも束の間、天命とは何ぞやと言う疑問が湧いてきました。そうして帰宅しテレビを点ける…

道南・函館周辺の四季

森町 オニウシ公園の桜と駒ヶ岳 オニウシとはアイヌ語で樹木の寄り集まるところを意味し町名の由来となっている。例年、道南の桜の開花は4月下旬であり、ちょうどゴールデン・ウィークの連休と花の見頃が重なる。このため函館周辺の観光地はお盆の時期を上回るほど…

⑧ストーンサークルと盆踊り

日本とはあなたから見れば、どのような国なのでしょう。この国の「序列を重んじて」「空気を読む」という慣習は「自分が相関する状況を察知し争いを避ける」という智慧であり、反面で風見鶏のように信念を持つことを避ける態度をも示しています。 去る1月22…

⑦息抜きコラム/津軽ディープスポット

JR木造駅正面にあしらわれた遮光器土偶 JR車両が通過すると目が発光する仕組み。遮光器とは北方民族が雪面の照り返しから目を保護する木製または革製の眼鏡である。潜水士や宇宙飛行士の印象を伴う外見でもあり荒唐無稽と言うべき様々な憶測もある。インパク…

⑥美の妙薬と内部空洞土偶の謎

先日、平安前期に生きた菅原道真公と言う人物の生涯を追ったテレビ番組を見ていると民の困窮を慮り上司に強い具申をした信念の学者だということがわかり感銘を受けました。 それが故に帝から信任を受け異例の出世をすること、そして過分のことと辞職を申し出…

⑤息抜きコラム 津軽海峡、お茶、青銅器

北斗市当別町トラピスト修道院登るルルドの泉からの眺望函館山が独立した島のように海上に浮かび上がっており、幕末に黒船で来訪した米国海軍ペリー提督をして、天然の良港と言わせしめた函館港の一端が読み取れる画像。右側には津軽海峡が開けている。函館…

④JOUMON-縄文

本題に入る前に私事を述べます。私の趣味は古代遺跡を巡ることです。近々、海峡向かいの田舎町に約一万六千年前に制作された土器の断片を検分しに行く予定です。晴れた日には対岸を望むことができる津軽海峡は、西の日本海側から東の太平洋側へと抜ける潮流…

③核なき世界という問い掛け

この北の港街の古い船着き場は狭いが故に様々な色を身に纏った人々が点描画のように目につきます。 今は一目で、それとわかる異国の青年僧が法衣の裾を翻して歩き過ぎました。おやおや、子供たちが石畳の上を飛び跳ねていきます。この国の古い詩人が言うこと…

チャチャ登りに吹く風②函館の新年

息抜きコラム 例年の新年の函館の様子 本日1月7日は北海道でも一部の寺社において「どんど焼き」が行われ、正月飾りが片づけられる。日本社会は、これで正月の淑気から日常へと戻りだすである。 意外にも静穏な天気の本日午前、これから私もいくつかの寺社の…

チャチャ登りに吹く風①はじめに

チャチャとはアイヌ語でお年寄りを意味し、それは、この坂の勾配が急であることを示している。例えば、背曲げ坂などと和称が定着せずにアイヌ語音が残り続けたのはなぜなのか。それは15世紀半ば「コシャマインの戦い」後も当地に残留したアイヌの末裔と、和…

アンデス民謡「泣きながら」に和風の歌詞を付ける 

♫提灯(ちょうちん)が 遠くに揺らめいてそよ風さえ躍(おど)る輪 盆DANCE月明り零(こぼ)れ落ち 寄せ返す荒磯浮舟を漂わせ 彼方(かなた)なるモンガータ♫ この曲が世代や民族を越えて、現代風に、煽情的にアレンジされてなお人々の心を打つのは何故…

《息抜き》銭湯の洗い場にて

8月末であるが例年にない暑さを感じさせる日が続いている。それはコロナ太りやマスクのせいもあるが、ひょっとして社会全体が緊張状態を維持していることから生じる息苦しさもあるのではないだろうか。 そんな中、安倍さんが退陣する見込みとなった。代わり…

映画作品〇茶道の奥深さを垣間見せる「日々是好日」

「今日もまた、よい日である。」日々是好日がそういう意味だということは私にもわかる。で、それだけの意味の言葉なのだろうか。 七夕の今日、茶道をテーマとした映画作品である「日々是好日」を見た。奥行きのある映画だと思った。後になって意味が分かる、…