道南民俗学研究会

虚飾を捨てた文章を書きたい。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

いにしえ人の言葉⑤君は古人の言葉を借りて、誤った解釈をしているぞ

虎の威を借る狐。あやふやな自分の考えを言うより、他者の言葉を借りてコメントをした方が正確に自分の考えを述べられているような気がすることがある。 なお言えば人の言葉を借りながら、話を誇張したり、意図的ではないにせよ誤った解釈を述べるというのは…

いにしえ人の言葉④信心の異なるを嘆き、泣く泣く筆を執る。故に歎異抄(たんにしょう)と名付ける

私が関東にいたころ、節分の頃に漁村を訪れたことがある。散歩をしていて海岸沿いの神社の鳥居に干したイワシが巻き付けられていた。これが「イワシの頭も信心から」という諺の由来なのだなと思ったが、そもそも鳥居にイワシを巻き付ける由来までは分からな…

いにしえ人の言葉③私は日本国の大船となろう~風見鶏が啼き始めた風潮の中で~

言論の自由などない時代。僧侶の言葉の破壊力として「俺は海賊王になる!」をはるかに上回っているように感じられる。己が幕府や朝廷をも含めた日本国の船になると言っているのである。しかも立宗前の31才の若造の頃の言葉である。彼は伊勢神宮で、この誓願…

胸を打つ哀愁 インスピレーション(鬼平のエンディングテーマ)byジプシー・キングについて

マイブームと言えば、それまでなのだが、何故か、その時繰り返し聞いてしまう音楽というものがある。そのブームは一週間程度のものだったりして、しかも今知った歌(曲)ではなく、以前から知っていて、深く気にも留めていなかったものだったりする。 その時…

いにしえ人の言葉②果てしもない宙があり、求められるべき安らぎがあり、苦しみを受ける人がいる限り、私の願いもあり続ける。

原文は「虚空尽き 涅槃尽き 衆生尽きなば 我が願いも尽きなむ」、身体の衰弱も見え始めた空海59才の時の言葉(死の3年前)。 私が、この言葉を初めて知ったときは、スケールの大きな言葉を並べているということは分かっても、意味は今一つ分からなかった。お…

いにしえ人の言葉①災難に遭う時は、遭うのがよい。死せる時には、死せるがよい。

良寛(1758 -1831)。江戸時代後期の曹洞宗(禅宗)の僧侶の言葉。号は大愚。本名は山本栄蔵。 良寛には子供との遊びに夢中になる逸話が残されている。和歌や書などにも通じていた。和尚様というより良寛さんという呼び方がイメージによく似合う。冒頭の言葉…