道南民俗学研究会

虚飾を捨てた文章を書きたい。

道南・函館周辺の四季

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森町 オニウシ公園の桜と駒ヶ岳
 オニウシとはアイヌ語で樹木の寄り集まるところを意味し町名の由来となっている。例年、道南の桜の開花は4月下旬であり、ちょうどゴールデン・ウィークの連休と花の見頃が重なる。このため函館周辺の観光地はお盆の時期を上回るほどの盛況を見せる。                    これが終わると修学旅行のシーズンとなる。
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八雲山車行列の一幕 息の合った動き
 道南の6月は蝦夷梅雨と言われる、ぐずついた空模様はあるが雨が続く内地(本州)とは異なり冷涼で過ごしやすい。 七夕には子どもたちが囃子歌を歌い家々のお菓子をもらうという風習がある。それが終ると短い夏の季節を迎える。八雲町には北海道三大あんどん祭りの一つがある。
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茂辺地(もへじ)川を遡上する鮭の群れ
 なぜGPSも持たない鮭が生まれた川に戻れるのか、改めて考えると神秘性を感じる。 アイヌ語で鮭は「真の魚」とも称され、その身は燻製され保存食に、その皮は加工され防水機能のある日用品としても用いられた。 また鮭が獲れる地域とストーンサークルが多くある地域が重なる印象を受ける。
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木古内町の奇祭 寒中みそぎ祭り
 軽快で勇躍的なオマニシグギダの太鼓の音が鳴り響く神社の境内で、四人の若者が冷水を浴び鍛錬を重ね、参篭から翌々日の正午、厳寒の海に入り御神体を清める。 精神的価値が軽しめられる風潮の中で祭りの存続が危ぶまれた時期もあったが、天保年間からの伝統を現代に継承している。