道南民俗学研究会

虚飾を捨てた文章を書きたい。

郷土の風景①重内神社と海峡の展望

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この社殿の裏に210段の石段が続いている。学生時代は駆け上がり、駆け降りることができたが、はやる気持ちを抑え、境内の石碑などを見渡してみる。

重内(おもない)神社  知内町市街地から車で約五分
御祭神  不動明神   創建明治25(1892)年ころ
御由緒  入植者十数戸の開墾の鎮守として祠を祀ったことに由来。

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耕心。心を耕す?耕す心。農業に励めという意味と解釈。心という字、飾りやてらいがなく、実直な印象。
そういう目で改めて社殿を見ると、妙な演出や派手さのない、堅実な佇まいに思えてくる。

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社殿手前から見えた風景の一枚。ちなみに知内町はにらの名産地である。

社殿の裏手に回る、頂上がよく見えない。とりあえず鳥居を目指す。

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何処までも続くように思えた石段の先に頂上が見えてくる。

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石灯篭。下部 波の紋様と、右側 鹿の紋様はよくわかるのだけれど
その左側 渦巻が何かは不明。巻き貝のようにも見える。

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頂上に着くと、更に石灯篭一対(紋様は特にない)と社殿あり。社殿に向かい左手に、更に上れとばかりにパノラマビューがある。

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前浜の津軽海峡に並行する国道から、ほぼ直角・直線に伸びる3キロ余りの道路。市街地と農地を結ぶ道。海峡の向こうにはうっすらと青森が見えている。

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反対側の景色。

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山間の原野を切り開いた先人の努力が、今も、恵みを育む農地として実を結んでいるのだと感じます。

午後六時、スピーカーからチャイムが鳴る。耳を澄ますと北島三郎氏の与作。ヘイヘイホーのサビの部分が町内に柔らかくこだまする。与作は木を切る、それは原野を切り開き、開墾に従事した人の心の唄なのかもしれない。