「PK」は2016年公開のインド映画。主人公は調査目的で地球(の中のインド)に来た宇宙人。 片田舎で服の着方と言葉を習得できた主人公は、義兄弟と別れ、インドの大都会デリ―に単身赴きPK(酔っぱらいの意)と呼ばれる存在に。彼はある探し物をするが、人々…
特に先月は家にいる時間が長くなったことにより、今まで気になりつ見ることができなかった映画を見ることができた。そこで、近くて遠い隣国・韓国映画の「神弓」を見て、主人公の標題のセリフにしびれた。 各国において様々だと思うが、日本において弓は数あ…
海に浮かぶが如き函館山の威容 例年だと道南のゴールデンウィークは丁度、桜の頃である。だから、観光地でもある函館は近隣からの花見客も集まり、土産屋、宿泊関係などはトップシーズンの書き入れ時となる。そして、5月の2週目からは修学旅行生が入りだす。…
罪とは何か。哲学的な意味においての罪は個々の人生観が反映される言葉である。一方、刑法的に罪とは、既に定められている法に該当した場合にのみ適用されるものである。即ち、刑法の法文において明確な定めがなければ罪に問いたくても、罪に問われることは…
いつからか、有権者の貴重な一票と言う言葉に対して疑問を感じるようになった。選挙だけが有権者の意思表示ではないという論説を新聞で読んだ時からだ。議員は当選してから次の選挙に至るまでの間の議員活動が正しく評価されなければならないのに、良くも悪…
映画「あやしい彼女」を見た。女優の歌唱力の高さに驚いた。失礼かもしれないが、むしろ歌手に転向してほしいとさえ思った。 劇中では懐メロである「真っ赤な太陽」や「見上げてごらん夜の星を」などが効果的に挿まれている。これらは単に昭和を代表する歌謡…
「術を使えば天竺迄はひとっ飛びだ」そんな孫悟空の誘惑を彼は頑なに拒絶する。「自ら歩くことに法を求める意味があるのです。」一行は術も使えない非力な人間の存在である彼にどこまでも付き従う。 西遊記の主人公とは誰なのだろう。孫悟空がいなければ、妖…
潔いと思う。こういう芝居じみたセリフを言えることが潔い。現実に嗣書(釈尊から続く禅の系譜を記した師弟相伝の認定書)など禅の正統性を客観的に証明しうるものは携えてきたはずだが、そのようなものには頼らない。 水戸黄門風に言えば印籠を封印して、最…
えっ?と思う、インパクトが確かにある。半面、釣りのようなタイトルである。中身がないから、奇抜なタイトルに逃げているような。しかも、タイトルからはストーリの想像がつかない。映画館で見るには「はずれ」の可能性が高い。そう私は判断した。 先日、ア…
虎の威を借る狐。あやふやな自分の考えを言うより、他者の言葉を借りてコメントをした方が正確に自分の考えを述べられているような気がすることがある。 なお言えば人の言葉を借りながら、話を誇張したり、意図的ではないにせよ誤った解釈を述べるというのは…
私が関東にいたころ、節分の頃に漁村を訪れたことがある。散歩をしていて海岸沿いの神社の鳥居に干したイワシが巻き付けられていた。これが「イワシの頭も信心から」という諺の由来なのだなと思ったが、そもそも鳥居にイワシを巻き付ける由来までは分からな…
言論の自由などない時代。僧侶の言葉の破壊力として「俺は海賊王になる!」をはるかに上回っているように感じられる。己が幕府や朝廷をも含めた日本国の船になると言っているのである。しかも立宗前の31才の若造の頃の言葉である。彼は伊勢神宮で、この誓願…
マイブームと言えば、それまでなのだが、何故か、その時繰り返し聞いてしまう音楽というものがある。そのブームは一週間程度のものだったりして、しかも今知った歌(曲)ではなく、以前から知っていて、深く気にも留めていなかったものだったりする。 その時…
原文は「虚空尽き 涅槃尽き 衆生尽きなば 我が願いも尽きなむ」、身体の衰弱も見え始めた空海59才の時の言葉(死の3年前)。 私が、この言葉を初めて知ったときは、スケールの大きな言葉を並べているということは分かっても、意味は今一つ分からなかった。お…
良寛(1758 -1831)。江戸時代後期の曹洞宗(禅宗)の僧侶の言葉。号は大愚。本名は山本栄蔵。 良寛には子供との遊びに夢中になる逸話が残されている。和歌や書などにも通じていた。和尚様というより良寛さんという呼び方がイメージによく似合う。冒頭の言葉…
コロナ騒動が起こる前、日本人の民度は高いという説を私はしばしば耳にした。しかし、コロナ騒動以降は見聞きすることがない。 断っておけば、私は戸籍も祖先も日本人である。同胞の日本人を貶める気はない。しかし「我々は、世界の中で民度が高い日本人なの…
鬼ー隠れたもの。人から生気の抜けたもの。死者、あるいはその周辺にある奇怪なもの。心を失った人。現在の世相を漢字一字で表現するなら何になるのか。ー鬼、だろうか。 コロナウイルスを称して鬼と言えるかー、確かに目に見えず人心を不安にさせるウイルス…
第92回アカデミー賞・主演男優賞に『ジョーカー』出演のホアキン・フェニックス氏が選出された。「ジョーカー」を昨年に見ていた私は確かにという思いを抱いた。鬼気迫る道化師の演技であった。 かいつまんで言えば、同映画で描かれていたものは個人レベルと…
まどろみて命のはじめ思ふとき太古の海に差しそむ光 命の初めを私は知らない。三島由紀夫氏は自分が取り上げられた時を記憶していたらしいが、私は生まれたときのことを覚えていない。ただ、命のはじめを考えると怖いという気持ちと愛おしいという気持ちが交…
最初に断っておくが、これは政治家・麻生氏に対する人格否定ではない。ゴルゴ13など国際情勢・軍事情勢にも明るい人でありながら自国の都合の悪い歴史に無知であることへの深い憂慮である。閣僚ということで自らが日本国の中央にあると認識しているのかもし…
題は聖書のみ言葉ヨハネの福音書から。「一粒の麦、地に落ちて死なずば、唯一つにて在らん、もし死なば、多くの実を結ぶべし。」である。(現代語訳は「一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ、 それは一粒のままです。しかし、もし死ねば、豊かな実を結びま…
灯台下暗しという言葉がある。身近な人や、もの、場所の特異性を見落としがちなことを戒める言葉である。最近の私にとって江戸時代随一の快男児・高田屋嘉兵衛(1769~1827)という函館の基盤を整備した商人が、それにあたる。 もちろん道南に住んでいるからに…
札苅という小さな町にプロレスの一行が来た。国道から山の手に少し入った小高い所に旧札苅小学校の体育館が見える。以前には円形の校舎が隣りにあった。すぐ側を「いさりび鉄道」が通っている。 9月も半ばを過ぎると、夕方の5時半には一面に夜のとばりが降…
ニューヨーク公共図書館という上映時間の長い映画を見る。午前10時半から14時まで途中に5分間の休憩を挟み、約3時間半(205分)、銀幕に向き合っていたことになる。内容は学術的なドキュメンタリーで苦手な人にとっては30分でも辛いだろう。私の数え間違…
山岳信仰という言葉から察せられる通り、古来より山は異界であった。いと清らなかなる山紫水明は神々しくいて尚、心得なき者がみだりに足を踏み入れるべき場所ではなかった。山道を自由に往来できる者は猟師か山伏と相場が決まっていた。 さて、山姥というか…
画に主張がある。釣りあがった目、勢いのある線、キャラクターはみな一様に個性が強く、野心を秘めた風貌に見える。服装から彼らが古代中国人だということがわかる。 キングダム、それは虐げられた者たちが共に王座へと駆け上がるような力強い響き。 時は紀…
明治以降の函館は国際貿易と日露戦争以降の遠洋漁業で栄え、昭和10年までは東京以北最大の都市であった。昭和15年の国勢調査で初めて札幌市が函館市の人口を上回るのであるが、それは昭和9年に発生した函館大火の影響がある。 函館大火については稿を改め検…
これは重い問い掛けのある作品である。90分ドラマながら、昨今の軽妙な味わいの大河ドラマとがっぷりと四つに組める深い問いがある。 ニシパはアイヌ語で大切な人を指す言葉である。これはもっぱら男性に対して使用される言葉で旦那さんという訳出が相応であ…
道南の二海(ふたみ)郡に位置する八雲町。日本で唯一、太平洋と日本海に面している街、人口は約一万六千人。特筆すべき産業は酪農です。 「八雲町公式HPより画像引用」」 同町に北海道三大あんどん祭りがあると知り、調査に向かう。「私、熱があるみたい。…
湯の川温泉街は函館空港から約10分ほどの距離にある。その温泉街の東の緑豊かな丘、電車通りと産業道路が交わる交通量の多い地点に湯倉(ゆくら)神社は建つ。別称はお薬師様。向かって神社の右脇に湯倉川が流れている。風水で言う吉相、四神相応の地。 名称…